ジャカルタ美容院事情

 ここ数年日本人美容師さんが常駐するヘアサロンがジャカルタではすごく増えているなと感じる。私がジャカルタに来たばかりのときは日本人美容師さんがほとんどいなくて、ヘアスタイルチェンジがとても大変だったことを思い出す。

 ローカルインドネシア人に髪をカットしてもらうと他の日本人から「ゲゲゲの鬼太郎にでてくるねこ娘みたい」とか「昭和って感じ」とかいわれるし、インドネシア人がモデルになっているインドネシアの雑誌を持っていけば大体イメージが伝わりやすいだろうと思い雑誌の切り抜きを持って行ったところ、「シャギーね。ふんふん。オッケー。」と軽―い返事をもらったものの、彼女が取り出したのはバリカン…。最後までスキばさみが登場することもなく、最後まで何も言えなかった気弱な私。パーマはストレートをかけたことがあるが、髪の毛が伸びてくると、ストパをかけ始めた箇所が折れて屏風のようになってしまった。カラーも薬が強くて「しみたりしたら言ってくださいね。」といわれてからものの数分後、あのコントとかで頭が燃えてる感じで、早く洗ってーーーー!とあんまりいい思い出がない。

 それが今では日本人美容師がいるサロンが増え、この間は日本にいたときにすらしたことがなかったデジタルパーマなるものをあてることができた。カラーの種類も豊富。髪型の微妙なニュアンスが伝わるのはやっぱり日本人同士が一番のような気がする。価格が日本の美容院とあんまり大差ないので結構大きな出費にはなってしまうけれど、髪型が変わると気分がとてもアガるのでしょうがない。

 ちょっと前まで、今でも一部のインドネシア女子は「ワンレン、黒髪至上主義」なところがあってシャンプーとかについてる絵も黒髪ストレートの美女が微笑んでいる。インドネシア男子がかわいい女の子と思うポイントも「黒髪と白い肌」である。その一方でイマドキに髪を明るくしたり、カラーを入れたりしている女子もすごく増えた。ただ会社に通うOLが金髪だったり、魔女ですか?みたいにロングヘアの半分から下が銀髪なのはどうかと思うのだが。

 ヘアケア製品もすごく増えた。私が初めてインドネシアを訪れた2000年ごろはリンス(今でいうトリートメント)なるものが売っていなかった。ローカルの女の子たちはシャンプー後に髪の毛をくしでとかしてそのまま乾かして終了だった。それがトリートメントや洗い流さないオイルだの、日本に輸出されるものまで出てきたのだからすごい進歩である。

 話は変わるが、南国にいると髪の毛と爪が早く伸びるような気がするのはなぜだろう。私は爪を伸ばすのが嫌いだし、前髪も長くなると長くなった部分に熱がこもるような気がしてただですら暑いジャカルタでますます暑く感じるので、前髪は切るときに眉毛よりもかなり上に切ってもらうのだがあっという間に長くなる。切ったばかりのころは前髪が短くて「不思議ちゃん」みたいだがすぐ邪魔になってしまうのでなるべく短く切ってもらうようにしている。